CASE STUDY

今回のインテリアコーディネーター西堀 トシコさん

にしぼり・としこ小田急ハルク(小田急百貨店)のインテリアコーディネーター、東京都住宅改修アドバイザーなどを経て、二級建築士事務所「いきいきプラン21」を設立。業界歴23年という経験をもとに、いまなお使いやすく身体に優しい空間づくりを追求している。二級建築士、商業施設士、福祉住環境コーディネーターなど多彩な資格を保有。
TEL/FAX:03-3430-6529 東京都狛江市和泉本町1-36-1-817

「伝統素材と革製品が共鳴し合う店」『鞄のいたがき』京王プラザホテル新宿店

ライトブラウンの商品の色合いを最も美しく見せるために、壁と天井は漆喰塗料『アレスシックイ』のアイボリーを塗装。陳列什器は同系のブラウンと床はグレーの配色が漆喰に反射されて上品で落ち着いた空間にまとまった。
塗装:石膏ボード~アレスシックイシーラー~アレスシックイアイボリー2回塗り~アレスEZクリーン(汚れ防止)
家具:横浜・元町 老舗家具店「ダニエル」

「高級ホテルにふさわしい店舗に」

アクセントに『いたがき』の歴史と信頼が伝わる写真をデザイン。

 今回訪問した『鞄のいたがき』は、北海道を拠点とした創業30年の鞄店。現在では東京、京都にも直営店を持ち、その品質の良さから、長年『いたがき』の商品を愛用するファンがとても多いのだとか。『いたがき』各店のインテリアコーディネートを務めていらっしゃる西堀さんは、共通の知人の紹介で『いたがき』の板垣江美社長と出会い、以後、親交を深めていったとのこと。最近では、ドイツにお住まいの江美社長のお宅に遊びに行くなど、プライベートな付き合いも。 
それほどまでに同社から厚い信頼を得る西堀さんが新たに出店する店舗のインテリアコーディネートを依頼されたのは、2011年9月のことでした。出店場所は京王プラザホテルのショッピングロビーだと聞き「皮革製品を展示するだけでない洗練された大人の空間を演出したい」と、西堀さん。さらに、同社の製品へのこだわりを知る者だからこそ、店頭での品質管理にも一役買うコーディネートをしなければとプランを練り始めました。

「“革”の品質を守り、魅力を引き立てる」

『アレスシックイ』のしっとりとした質感が、皮革製品の上質な色彩、光沢を引き立て、競演しあっている。

 「この店舗は都心のホテル内だから、海外のお客様もよくいらっしゃいます。インテリア空間と陳列された皮革製品をガラス越しに見かけて、興味深げに来店される方も多いんですよ」と、お店の特徴を話してくださるのは『いたがき』の商品が大好きで入社したという同店メインスタッフの大内さん。西堀さんもその特徴を十分に把握していて「海外のお客様はもちろん、本物志向の方々が『いたがき』の革製品をゆっくりと楽しんで選んでもらえる空間を演出したかったんです。だから、少しだけ“和”のエッセンスも施したいと思って・・・」プランニング時、西堀さんは店舗の立地条件をふまえ『いたがき』の魅力が十分に伝わるコーディネートができないかと思案していました。ちょうどそんな時、OZONE(東京都新宿区)の企画展示で漆喰塗料『アレスシックイ』に出会ったといいます。
「柔らかな質感と、光を受けたときの温かみある表情を見て、きっと『いたがき』の商品を引き立てる存在になってくれる!って思ったんです」西堀さんは早速、板垣社長に『アレスシックイ』を使ったプランを提案。社長も展示の現物を確認し快諾をされたそうで、これを機に新店のコーディネートは一気に具体化していきました。



 西堀さんが『アレスシックイ』に着目した理由は、そのデザイン性だけではありませんでした。「漆喰という伝統素材が、調湿や消臭などといった機能を持っていたことはもちろん知っていました。その機能をそのままに塗料製品化したアレスシックイは、今回の案件にピッタリだと思ったんです」新店には、多数の革製品が陳列されることになる。そして革製品の品質を管理する上で湿度管理は欠かすことができません。「愛用するほどに味が出てくるのが皮革製品の魅力、でもこれらはまだお客様の手元に届く前ですから、湿度の影響で品質を落とさぬよう、最大限の配慮をしなくてはなりません」と大内さん。皮革は人の肌と同じように湿度に対してデリケートですから、特にテーブル上の陳列商品はエアコンの風量をコントロールしても、気流にさらされることになり、少々の加湿や除湿では追いつきません。ところが閉店後、エアコンが止まると同時に湿度の過不足を広壁に塗られた『アレスシックイ』が徐々に調節してリセットしてくれます。 
そして西堀さんは「本物を知る大人が、ゆっくりと楽しめる空間を」という構想に従い、クラシック家具の選定や紫外線のないLED間接照明の配置など、新しい『いたがき』の世界を一つひとつ創り上げていきました。

「洗練された空間がホテル内でも話題に」

 「実は、当店オープン当初は京王プラザホテルのスタッフの方々もチラチラと店内を見に来られて。西堀さんのインテリアコーディネートは、ホテルにもかなり好評だったようです。『良いお店ですね』とお客様から言われることも度々あって、ここで働く私はいつも誇らしく感じています」。大内さんは大好きな『いたがき』の革製品を優しく磨きながら、店内を見渡しました。
取材中、(もっと革の香りが店内に充満していてもおかしくないのでは・・・)という疑問にも、西堀さんの小粋な仕掛けが。「アレスシックイの消臭機能が、店内の革の香りを適度に調節してくれているんですよ。その代わりに、ほら・・・」と、小物の革製品が陳列された小棚の扉を開けると、ふわっと良い革の香りが漂いました。「手に取ったときに感じる革の香りが、引き立つんですよ。」と、大内さんもその仕掛けをとても気に入られている様子。調湿機能についても伺うと「他の店舗は時おり水を張ったコップを置くなど細かな湿度管理をしなくてはなりませんが、ここではその必要が一切ない」とのこと。
間接照明に照らされ優しい光を反射する白い壁は、特別な温もりを感じるホテル内でも洗練された空間を演出しています。西堀さんの創り上げた世界と、そこに並べられた『いたがき』の美しい革製品が気になって、取材中も一人、また一人と“本物に惹かれた”お客様が立ち寄っていかれるのでした。
(取材協力)
株式会社いたがき 京王プラザホテル新宿店
東京都新宿区西新宿2-2-1 京王プラザホテル南館ロビー階
http://www.itagaki.co.jp


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