CASE STUDY

CASE STUDY 010

今回のナビゲーター 松本 佳津さん(株式会社MATSU.COMing 取締役)

まつもと・かづ女子美術短期大学造形科卒後、5年間(株)丸井新宿店販促を担当。フリーに転向後、伊勢丹等店装サインなどを担当。2007年に(株)MATSU.COMingを設立。クリニック・住宅・店舗等の空間デザインリノベーションに20年以上関わり、大学・専門学校の講師、コラム執筆、超高齢社会のインテリアのあり方の研究など「インテリアのチカラ」「デザインの愉しさ」を 様々な切り口で提供している。インテリアデザイナー・コーディネーター。愛知淑徳大学メディアプロデュース学部 都市環境デザイン専修 教授。日本フリーランスインテリアコーディネーター協会理事。

株式会社MATSU.COMing(マツドットコムアイエヌジー)
TEL:0562-98-3056 FAX:0562-98-3048 HP:http://www.51matsu.com/

『大胆な色彩計画で職場環境と企業イメージをアップ』(株式会社アウテック松坂)

(株)アウテック松坂 オフィス

ナビゲーター:(株)MATSU.COMing  松本 佳津さん
事例物件 :(株)アウテック松坂 オフィス(愛知県刈谷市)  www.autekku.co.jp
写真は接客用にも使われる会議室:赤い壁面:関西ペイントの塗料「アレスエコクリーンマット」(アウテックレッド)/
白い壁面:ビニールクロスの上から関西ペイントの漆喰塗料「アレスシックイ」(ホワイト)を塗装

 今回のケーススタディは、愛知、三重、岐阜の東海3県をエリアに戸建て住宅を中心とした外壁工事業を展開しておられる、株式会社アウテック松坂のオフィスです。昭和63年に創業後、現在の愛知県刈谷市にある工業団地に移られて18年目を迎え、事務所のリフォームを考えられました。
 「社員が少しずつ増えていくうちに、事務所がだんだん手狭になり、机の椅子を引いてもらわないと後ろを通れなかったり、通ると机の上の物に当って落としたりするような状況でした。それに、リフォーム前は中央に大きなキャビネットがあって、両側にデスクを置いて壁に向かって座っていたので、あるとき社員から『向き合って仕事がしたい』という提案がありまして、リフォームしようと決めたのです」と話されるのは、アウテック松坂の代表取締役・穂谷 あかね社長。
 昨年の夏、穂谷社長の自宅リフォームを松本さんに依頼し、その仕上がりに満足されていたことから、事務所も引き続き松本さんに依頼したそうです。

『経営戦略と健康も意識した色彩計画』

(株)アウテック松坂

 アウテック松坂の事務所を訪ねて、まず目に飛び込んできたのが、赤く塗られた扉とMの字がアレンジされたロゴマークです。周囲は工業団地ということもあり、グレーや黒い建物が並ぶどちらかというと地味な佇まい。その中で赤い扉のアウテック松坂が、ひときわ印象的な存在感を放っていました。
 「HPを見たらすごく赤がポイントになっていたし、社長のお名前が『あかねさん』なので、赤というコーポレートカラーがとても大事だと思いました。あまり建設業らしくない感じにしたい、という思いもありましたので、ダイナミックに持ってきたのです」と松本さん。

事務所入り口ドア前の壁

事務所入り口ドア前の壁

 近年、高齢化へ向かっている建築業界においてアウテック松坂は若い社員が多く、女性社長と若さという武器を赤に込めて、差別化を図りたいというイメージが生まれたそうです。
 また赤は、気力を高めたり、気持ちが前向きになったりするほか、事務所での滞在時間が長い女性社員にとっては体温を高める効果もあり、健康面にも配慮した色彩計画になっていました。
 穂谷社長も「事務所の壁や扉を赤にするというアイデアは、私の中にはありませんでしたが、第一に職場環境を良くしたい、みんな元気になってくれればいいなという思いがあったので、すごく気に入っています。明るさが断然変わったと思います」と満足そうです。

『機能性に視覚効果もプラスして』

 内装でこれだけ大胆に赤が用いられると圧迫感を覚える場合もありますが、アウテック松坂はむしろ爽やかで安堵感さえ感じられます。その理由を松本さんはこう分析していました。
 「赤以外の壁面に漆喰塗料(関西ペイント・アレスシックイ)を使ったことが功を奏していると思います。マットに仕上がるアレスシックイが、赤をぼかして部屋全体に馴染ませる役割を果たしていますね。反射が強かったり、白っぽくなり過ぎていたら影響が強すぎたかもしれません」
 もともと松本さんがアレスシックイを提案されたのは、初めて事務所を訪ねた際にタバコのニオイや空気の淀みが気になったためですが、アレスシックイはそうした機能面だけでなく視覚的な面でもプラスに働いたようです。

穂谷社長と松本さん

『きれいな空気は福利厚生の一部』

 松本さんはアレスシックイの提案時に、サンプルを使ってあることをされていました。内側にアレスシックイを塗装した容器の中に正露丸を入れて、蓋を開けてニオイを嗅いでもらうという実験です。
 「ニオイはみごとに消えていましたね。持続力もあるというので、それならやる価値があるなと思いお願いしたのです」と穂谷社長。

事務所内

 タバコのニオイだけでなく、外でハードな仕事を終えて戻ったとき、空気のいい会社で気持ちも疲れもリセットしてもらいたい、という思いもあったそうです。
 「環境の改善は福利厚生の一環みたいなものですね」と松本さん。
 施工後の環境変化について工事部部長の高橋さんは「仕事がら埃っぽいところで作業することが多いので、僕自身、帰ってくると違いを感じるというか、空気がおいしいというか、ちょっと気持ちよくなりますね」と話されていました。

『きちんとレイアウトすることで生まれた余裕』

 ところで、新入社員の机が置けないほど手狭になっていた事務所内で、新しいスペースはどのように確保されたのでしょうか?
 「会社がだんだんと大きくなり、コピー機やパソコンなどが増えると、配線が邪魔になって机がちょっと前に出たり、什器のサイズがバラバラだったりして、見た目にもスッキリ感じられません。そうした状況は他社でもよくあることなので、デスクを中央に置き、『動線』と『視線の抜け』を考慮したレイアウトと色数を整理するだけで、かなり解決するだろうと思っていました」と松本さん。
 問題だった大きなキャビネットも処分することなく、サイズを測り直して高さなども揃え、壁際に寄せることで予想以上に余裕が生れたそうです。

事務所内

 「リフォーム前は、淡い感じの色が多く、みんな微妙にズレており、全体的に不揃いで乱雑な感じだったのですが、机などを白にして色数も整理したことで、よりスッキリ感じられるようになったのではないでしょうか」。穂谷社長も「新築でもないし、限られた狭いスペースで魅力を出すってなかなか難しかったと思います。でも人を呼べるというか、見に来てって言える事務所になりました」と誇らしげでした。

『モチベーションを高める相乗効果も』

 「事務所に帰ってくるのを楽しみに思ってくれるような環境づくりをしてあげたい」という穂谷社長の思いの下、日々、環境が整っていくと、社員の皆さんの意識も変わってきたそうです。自然と換気扇の下でタバコを吸うようになったり、ゴミを拾って歩いたり、気になるところをこまめに磨いたり…。

 「きれいになると、いろんなところが気になってきたようで、トイレや外装の改修を社員が分担してやってくれました」
 事務所入り口側の外装仕上げは、リフォーム前、グレー1色のサイディングだったものを社員の皆さんがアイデアを出し合い、社内にあるものでコツコツ仕上げられたそうです。今後もさらに他の面のリフォームを計画中だとか。
 今回のリフォームは、仕事環境の改善と企業イメージの向上が図られただけでなく、社員の皆さんのモチベーションまで高める相乗効果をもたらしていました。

事務所入り口側の外装

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