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カラー フォー ユア ライフ (Color for Your Life)
第2回 - 海外の建物

スイス医療施設 その1

 私たちの研究所では様々な建物の色彩について研究をしています。その中の一つである病院や高齢者施設の研究について今回は書こうと思います。

 私たちが病院や高齢者施設の研究を始めたのは今から約15年前です。当時は「高齢化社会」という言葉が頻繁に聞こえていました。
「高齢社会」の基準は65歳以上の人口が総人口に占める割合である高齢化率によって分類されます。これは世界基準だそうです。詳しくみると、[高齢化社会=高齢化率7%~14%、高齢社会=高齢化率14%~21%、超高齢社会=高齢化率21%以上]となっています。日本の状況ですが、今から18年前の1995年にはすでに人口の14.5%が65歳以上で「高齢社会」になっており、2007年には21.5%となり「超高齢社会」に突入しています。65歳というと当社でもバリバリ仕事をしている者がたくさんいますのでピンとこないのが現状ですが、このような社会背景を受けて、私たちCD研究所はこれからますます需要が求められるようになる病院や高齢者施設のインテリアカラーについて、研究に取り組みました。

 まず、私たちは福祉大国であるスイスの医療・高齢者施設の視察に行き、どのように色彩を活用しているかを学びました。そこでは想像以上に色彩を活用しており、 アクセントカラーという枠に収まった使い方ではなく、時にはカラフルな色彩がベースとなるなど、色彩が意味を持って存在していました。人の心理に視覚から直接影響を与える色彩の使い方は本当に勉強になりました。早く皆さんにお伝えしたいのですが、その前に今回はスイスの医療事情についてご紹介させていただき、色彩の話は次回からお話ししたいと思います。

スイスの医療制度

 スイスでは医療保険制度は強制加入であり、子供の頃から学校や家で保険について学ぶ機会が多いと聞きました。強制とはいえ、保険内容の選択は個人の自由です。例えば若い人や体に自信のある人は初診で支払う金額は高いけれど、月々の保険料が安いものを選ぶといったように自分の都合に合わせて選べるのです。さらに、医師を選べる保険もあるそうですよ。

 このような保険制度を持つスイスの人たちは、自助努力をしてなるべく病気にかからないよう体力保持に努力しているそうです。そんなスイスでも保険がきかない医療があるのですが、何だと思いますか?
それは歯科です。歯磨きは自助努力で、虫歯になるのは努力を怠った自分の責任であるということから 、100%自分で支払うそうです。日本でも保険が利かない歯科治療がありますが、それは美容目的の場合が多いですよね。スイス方式だと小さい頃から歯を大事にしようという習慣がつきそうでいいですね。
スイスの高齢化率は16.7%(参照:国立社会保障・人口問題研究所)ですので「高齢社会」になります。十数年後には日本と同じ「超高齢社会」になるかもしれませんが、小さい頃から自分の国の医療制度について学び、病気にならないための自助努力をし、万が一病気になった場合や高齢になったときでも安心して暮らすことができる、とっても素晴らしい国だなと思いました。
現に多くの著名人はスイスで余生を過ごすそうです。調査で訪れた中の一つに、大女優ソフィア・ローレンが寄付して建設されたCESCO Collonge-Belleriという長期滞在型の医療施設があります。チャールズ・チャップリンやオードリー・ヘップバーンも晩年をここで過ごしています。

会議室のインテリア

会議室のインテリア

CESCO Collonge-Belleri

CESCO Collonge-Belleri

入院部屋のインテリア

入院部屋のインテリア

自助努力の国スイス

 病気になった人や障害がある人に対しても、スイスでは自助努力がしやすいように設備やシステムが整えられていました。例えばリハビリ施設では電車の模型を使った乗り降り訓練設備まであります。

電車の乗り降り訓練設備

電車の乗り降り訓練設備

 そしてあちらこちらに新聞が置いてあり、入所者が好き好きに読んでいて、入所者同士で議論をかわしている、それも良いリハビリになるそうです。人が集い思わずそこでゆっくり過ごしたくなる、そんな居心地のよい空間をつくることも大切ですね。

廊下にあるスペース

廊下にあるスペース

アニマルセラピー

アニマルセラピーも取り入れられている

 驚いたのは、どこの病院でも昼食がとても美味しい! ムール貝やらステーキ、魚のポワレなどなど…。思わずワインを飲みたくなるメニューばかりでした。ちなみにどこの病院でもワインをグラス1杯飲みながら食事をしている人が多かったです。患者さんや医師も!(オペ前には飲まないとのことです) さすがヨーロッパですね。1杯のワインを昼食で提供する決まりがあるという病院もありましたが本当でしょうか。(笑)
104歳の入所者の男性がワインを飲みながら 、ステーキとポテトをナイフとフォークを使って楽しそうに食べているのを見て、楽しく食事をすることも大事な医療行為だなと思いました。

病院内レストラン

病院内レストラン入口にあるメニュー

ムール貝やチキンローストなどが選べる

ムール貝やチキンローストなどが選べる

 さて、今回はスイスの医療制度や実際の病院、施設での暮らしについてお話ししました。書きながらスイスを思い出し、改めて素晴らしい医療システムの国だなと感じました。将来はスイスで暮らしてみたいと思った方もおられるのではないでしょうか? 私もそう思わずにいられません。

 いよいよ次回から、病院や高齢者施設のインテリアやカラーについて書きたいと思います。お楽しみに!

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