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ペイント・ルネサンス(Paint Renaissance) 

 皆さん、こんにちは。この度、インテリアコーディネーター向け情報サイトPXIにてショートコラム「ペイント・ルネサンス」を執筆する事となりました。どうぞよろしくお願い致します。最初に取り上げるテーマは、関西ペイントが注目し、研究が進められている「漆喰」という伝統素材について。なぜ「漆喰」なのか、それは後の連載を読んで頂ければきっと納得頂けるでしょう。日頃インテリア計画の仕事をなさっている皆さんにとっては絶対聞き逃せない内容です。是非毎回ご愛読ください。
(執筆:関西ペイント インテリア専属アドバイザー 保田孝)

今、“漆喰”が見直される背景

 皆さんご自身のお住まいの内装仕上げ材料は主に何ですか。そして、お仕事でクライアントにお勧めしている材料は何でしょう。漆喰はごく少数派が現実です。ところが古くて新しい漆喰、実はすごい素材なのです。日本はもちろん、古くはエジプトの遺跡からも発見され、東西を問わず今日まで使い続けてきた漆喰ですが、なぜ日本では使われることが少なくなったのでしょう。

 ここ40年以上、住宅は工業化、すなわち生産性が優先されてきた背景があります。旧来から日本の気候風土に馴染んできた材料も工期優先の工法と材料に置き換わってきたからでしょう。一方、省エネ目的で住宅の気密性が向上した反面、快適な室内環境を保持するための湿度管理の方法に課題が残されていることはご存知の通りです。このような背景で今、漆喰の調湿機能が見直されています。日本の住宅の室内風景が漆喰の優しい表情に変わることも現実味を帯びてきました。ところで漆喰空間はなぜ私たちを魅了するのでしょう?

 漆喰は主原料の消石灰に海藻糊やスサ(麻の繊維や紙などを細かく切ったものまたは川砂)を混ぜて水で練り合わせてペースト状にしたものです。消石灰(水酸化カルシウム)は石灰岩を焼成して得られます。その石灰岩の源は何と2億5000万年前のサンゴ礁。そのサンゴ礁はアレルギーのもとになる原因物質を含まない安全な天然材料の見本のようなものです。

 国内では古来より城郭や寺社、洋館、伝統的な和風住宅、土蔵造りなどに広く使われてきた左官材料です。漆喰の硬化は空気中の二酸化炭素(CO2)と反応しながら炭酸カルシウムを形成して進行する(気硬生)ので「呼吸性塗り壁材」とも呼ばれます。二酸化炭素を吸収する点から見ると漆喰はエコな材料でもあるわけです。古くから使われながら、今日ではあまり使われなくなった建築材料は他にもありますが、その素材の持つ特性を今日のニーズと照らし合わせると、先人の知恵の奥深さを思い知らされます。それは意匠面はもちろんですがまさにスーパー建材と呼ぶにふさわしい様々な機能をも持っているからです。そこで次回から漆喰で仕上げられた空間の魅力を多面的にひも解いていくことにしましょう。

#002 「漆喰空間の魅力-1」へつづく。

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