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ヨザン弥江子のデザインペイント

スタンピング1

(執筆:株式会社フォーアーツデザイン代表 ヨザン弥江子)

参考 “Stamp Decoration” Stewart and Sally Walton  Photograph. Graham Rae

デザインペイントができること

 空間の価値を深めるデザインペイントとは、塗り分けをしたり、2色以上の色を塗り重ねたり、パターンを施したり、絵的表現をしたり、もしくは金ゴテやゴムベラでテクスチャーをつけたりと自由自在に表現することを言います。デザインペイントは、一人一人好みの空間があり、住む人のライフスタイルに沿った個性を無限に広げます。そんなスタイリングを設計段階でお客様にご提案できたら、どんなに素敵な笑顔が広がることでしょうか。プロのペインターが施す手法だけではなく、既存の素材にひと工夫できるのもデザインペイントの成す技です。

まず手始めは“スタンピング”から

 デザインペイント#003では、もっとも手軽で簡単に表現できるスタンピングをご紹介します。以下いくつかの制作事例を解説していきましょう。柔らかいウレタン素材のスタンプに好きな色の塗料をつけてフワッと押していくだけです。まずはテーマを決め、スタンプのデザイン、色、パターン等を検討していきます。塗装面のみならず、塗装用クロス、ビニールクロス、アレスシックイの上など、ほとんどの壁面に模様付けが可能です。他に様々な素材を生み合わせ、オリジナリティーあるスタンピングデコレーションを楽しめます。

暖炉の部屋の天井画

 例えば、塗装用クロスをストライプに塗り分け、その上に規則性をもたせてスタンピングすれば、可愛らしいスタンプ柄ですが、彩度の低い水色を使用し大人っぽいムードに。後染めの古布(フランス製)とペイントしたセブンチェアーを合わせると、柔らかくやさしい組み合わせにコーディネイトできます。既製品の中にいくつかのオリジナルを持つことで個性的な表情が生まれますね。

 作業をより効率化するためにプロセスを大切に進めます。最終的な仕上がりのクオリティーが上がることが重要です。
  ● クリエイトする部屋のイメージ、コンセプト等、方向性を決定
  ● 色、レイアウトパターンの検討
  ● 事前サンプルを制作し、仕上がりの検証、制作のポイント等をまとめ、完成度の高い本番への準備を充分にする

事例1 オリジナル壁紙製作

 それでは実際にスタンプを使った作業事例をご紹介していきましょう。

工程1

【使用素材: 塗装用クロス、水性塗料、マスキング、ローラー、刷毛】

①全面ベースペイント / ローラー塗り(オフホワイト) ②マスキングにて縦のストライプ養生 ③ストライプ塗り分け / 刷毛のランダム塗り(べージュ) *刷毛の目を残しながらランダムに塗ることで、ローラー塗りの固さとは違う柔らかい風合いができあがる。

工程2

【使用材料: スタンプ、水性塗料、マスキング】

①ストライプと平行になるよう、ストライプに対して垂直にマスキングして位置決めをする ②塗料を均等にスタンプにつけて当りのあるところにやさしくのせる。この際、塗料のつけ過ぎとスタンピングの押しつけ過ぎに気をつける。

完成

地色を2色にすることで、ワンランク上の表情が出せます。オリジナルのペイントは、壁のサイズに応じて柄の割り付けを合わせたり、塗料の濃淡などで抑揚をつくったり、いかようにも応用可能です。

事例2 同じ柄での色違い、表現違い

 同じ柄のスタンプを使用しても様々な仕上げが表現できます。

作業事例

(1)下地色の同系色(濃いめ)でスタンピング。花びらにはうっすらと色鉛筆で色付けし、やさしく丁寧なイメージに。絵の具で塗り分けるより、ずっと気楽に簡単に仕上がります。スタンプの間隔に強弱をつけ、メリハリある表情を出しています。

(2)黒い地色にブラックパールの塗料でスタンピング。角度によりパールが光り、地模様的な仕上がりが落ち着いた風合いを出しています。全体の模様配置は縦に揺らぎながら上っていくイメージ。

(3)共に彩度の低いベージュとあずき色で、落ち着いた華やかさを表現。おおよその目分量でスタンピングし、細かい花びらでバランスをとっています。可愛らしい模様も色合わせにより、様々な表情に仕上げることが可能です。

参考 “Stamp Decoration” Stewart and Sally Walton  Photograph. Graham Rae

 スタンピングでますます可能性が広がるデザインペイントの世界、いかがでしたか? 今回ご紹介した内容は、新設PXIペイントアカデミーとして計4回のワークショップで、皆さんに実践していただけることになりました。リフォーム、スタンピング講座(2回)、ステンシリング講座(2回)インテリア関係の方々のために生まれた、日本初の画期的なデザインペイント基礎講座のプログラムです。どうぞご期待ください。

See You Soon!

「PXI デザインペイント基礎講座」開講!

画期的なプログラムのはじまり  「PXI デザインペイント基礎講座」が、いよいよ10月よりスタートします。日本で普及しにくかったデザインペイントを、わかりやすく組み立てて皆様にお伝えする画期的なプログラムです。リノベーションが増え多様性が求められる中、ペイントはどんな材料より自由自在に様々な表現を可能にしてくれます。例えばローラー塗りから絵画的表現まで、幅広いクリエーションが楽しめ、また提案できます。

  ヨザン弥江子さんが担当する講座では、様々なツールを使ったデザインペイントの基本と応用を、手法テーマ毎に2回ずつのワークショップ形式で学んでいただける画期的なプログラムです。2015年度は、少人数制で初心者の方も楽める『スタンプ』と『ステンシル』を実習します。色と形と風合いで個性的なウォールアートを創造するデザインペイント。プロの技法を応用し、より身近に簡単に、個性的なペイント表現がマスターできる日本初の試みです。ペイントでのスタイリングがもっと自由自在になるように、ICを応援するPXIならではの試みです。各基礎講座に参加する毎に、実際のプレゼンテーションで役立つ、ツール2枚のサンプルが仕上がります。またそれぞれに参加された方に修了書を発行いたします。インテリア関係の方々のために生まれた、日本初の画期的なデザインペイントのプログラムにぜひご参加ください。

※詳細は次号のPXIに掲載予定です。ご案内と募集要項をご確認ください。

<ヨザン弥江子・プロフィール>

デコラティブペインター、ミュラリスト。東京都出身。女子美術大学・工芸専攻卒業/FIDM スペースデザイン科(L.A校)卒業。家具会社勤務経て1992年、装飾ペイントの分野へ。1995年、個人事業開始。2000年、株式会社フォーアーツデザイン設立。商業美術を中心に空間を彩るペイントの可能性を追求。「社会に役立つアートとデザイン」をテーマに、技術者の育成、技法の開発等、国内外のペイントビジネス分野での活動を続けている。ベジタリアン、2児の母。好きな作家は、アートに一途な生き方も大好きなジョージア オキーフ。琳派を継承した工芸デザイナーであり日本画家の神坂雪佳。今夢中なことは、自分のアトリエの設計。出来るだけ自然素材を使用し、必要最低限の機能性を持った、アトリエ小屋兼実験室を計画中。

ヨザン弥江子

株式会社フォーアーツデザイン 代表取締役 アートディレクター
yozan@fauxartsdesign.com

女子美術大学 アート・デザイン表現学科 ヒーリング表現領域 壁画講師
http://www.joshibi.ac.jp/department/college/healing

※内容に関して問合せや感想などありましたら、PXIサイト「お問合せ」をご利用ください。

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