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デザインペイントの時代が始まる③「塗装表現の可能性」<1>オンブレ(ボカシ)

 前回はデザインペイントというジャンルから眺めた「塗料による表現の可能性」でした。 今回は塗料から塗装に視点を移して「塗装による表現の可能性」に話を進めます。 ペイントらしい表現手法といえば、まずオンブレ(ボカシ)となるでしょう。色彩が徐々に変化するこの表現方法はさまざまな手法とツールによって表現され、デザインペイントにおいても頻繁に使われる、特に欧米諸国で愛されてきたテクニックです。今回はオンブレ以外にもいくつかの手法をご紹介します。

 絵画では空間性を表現するために、一般的な「平滑で、ムラのない単色」塗装のような塗り方は稀です。デザインペイントは、塗装と絵画性が融合して質感や空気感を出すため、あえてムラ、荒れ、不揃いなどを出す多様なテクニックが加わります。それらの例をみていきましょう。

オンブレの応用①「境界のオンブレ」

 異なる色相の境界部分を曖昧に処理する方法です。

カッターで、シャープな境界を引く継ぎ貼りのような境界ではなく、破いた紙のような、または漉いた和紙のふちのような、境界の柔らかな表情が刷毛だけでつくれます。

ローラーをわざと擦れさせ、ランダムに運んで描いた、アーティスティックな境界処理の一例です。

オンブレの応用② 「グラデーション」

 色の濃淡を少しずつ変化させたり、異なる色相の境界を混色させて滑らかにボカす方法です。

これは窓からの明かりがつくり出した天然のグラデーションで、刻々と情報が変化します。もちろん壁の色は単色ですが、一瞬の表情をペイントで表現できます。

上部から下部へと壁にピンクのグラデーションが施されています。

海の深さを思わせるブルー単色のグラデーションです。一つの塗料缶と刷毛でこれだけの変化がつくれます。

虹のように色を変えた多色のグラデーションです。小物などともカラーコーディネートされています。

数色のソフトな縦のストライプをリピートさせたグラデーションで、穏やかな空間を演出しています。

ウェーブを持たせて絵画的に描いたオンブレです。

バスの乗り降り、段差を再現
壁面のオンブレは、床や棚、小物、リネンとトータルにコーディネートされています。

オンブレの応用③「輪郭ボカシ」

 ソフトフォーカスで美しいボカシ効果を狙った写真の様な印象を与えます。曖昧な存在感があり、空間の広がりを感じさせます。

ドーム状のセンタリング部分に雲をスポンジで描きました。

海綿だけで描いた雲です。

境界を刷毛でボカした縦方向のストライプです。

壁画に近い大がかりなオンブレで、テキスタイル風の味を出しています。

オンブレの応用④「質感表現」

 壁面に質感を与えたり、空気感を持たせて壁面との距離感を出したりするのにもオンブレの手法は効果的です。

色の濃淡でも同じ効果を出せますが、表面をランダムに荒らすことで陰影にムラが生じ、光線の変化に応じて表情が刻々と変わります。

色をランダムに変化させて、霧の中にいるようなソフトな空気感を出しています。

クローズアップです。

 これらの事例のようにオンブレは、さまざまなテクニックによって表現されます。興味のある方はPXIペイントアカデミーが主催するワークショップで体験してみてください。貴方のインテリアビジネスに、新たな内装表現の世界が広がるでしょう。
 さて、次回はデザインペイントのグラフィカルな表現と、更に絵画的なムラル(壁画・天井画)に進みます。どうぞお楽しみに。

※内容に関して問合せや感想などありましたら、PXIサイト「お問合せ」をご利用ください。

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