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デザインペイントの時代が始まる④「塗装表現の可能性」< 2 >グラフィカルペイント

 前回のコラムでは「塗装表現の可能性」の< 1 >として「オンブレ(ボカシ)」を取り上げました。

 オンブレ以外にもデザインペイントには様々なペイント技法がありますが、技法については次回のコラム「デコラティブペイント」でご紹介することとして、今回は表現手法について「グラフィカルペイント」と「ムラル(壁画・天井画)」に触れておきましょう。

グラフィカルペイント

 最初に、グラフィカル(図形的)なデザインを壁や天井、さらには家具などのインテリアエレメントにペイントすることについてご紹介します。

 ペイントで内装仕上げを施す際、現状で選択肢の中心となっているのは色彩です。しかし、「グラフィカルペイント」はもっと多彩でデザイン性の強い表現となり、制作活動に関わる職能も多彩なものとなります。インテリアコーディネーター以外にグラフィックデザイナーやイラストレーター、画家、書家等のアーティストの他に、塗装職をはじめ、左官、タイル等の技能系のプロも関わる、まさにアーティストの競演が期待されます。

 主に商業施設においては、これらのデザイナーや技能者が組織して、それぞれの感性、技術のコラボレーションによる創造性に富んだ作品空間を生み出し、各地で展開しています。このムーブメントが今後は住宅にも間違いなく広がるでしょう。

 個室などは、自分らしさや好みを反映した自由な表現がしやすい空間ですから、「グラフィカルペイント」の恰好の舞台であるといえます。

グラフィカルペイント事例紹介

既存の壁紙に欲しい色柄が見つからない場合、思い切ってペイントでオリジナルなデザインを施してみましょう。

個室なら、好みのファッションに合わせたパターンを自由に描くことができます。

タペストリーを吊るすような感覚で、家具のレイアウトと組み合わせて壁面の一部だけをデザインすることができます。

写真のように空間の色彩を丸ごと整理するのは、実際の生活では困難ではありますが、一つの壁面演出としてはチャレンジしたいところです。

大胆な幾何学的パターンとファブリックのカラーコーディネートです。

壁・床・デスクが一つに統一されたデザインです。モビールの静かな動きを加えることでオシャレに演出しています。

スペインやポルトガルの路地を思わせるような、壁・床のデザインと、プランターの楽しいコンポジションです。

オンブレの応用② 「グラデーション」

 グラフィックデザイナーのデザイン作品と、画家による壁画や天井画との間に境界線を引くことは一般的には可能ですが、内装表現においては、敢えて区別するのは無用であると考えます。前の項でご紹介したグラフィカルな壁面意匠の延長には、額縁の無い、より絵画的でポエムの様な空間表現があります。

雲の中を漂うようなデザインの子ども部屋です。壁面だけでなく、額絵やペンダント照明のセードも雲をモチーフにしました。

ベッドを覆うように樹木がペイントされたデザインです。ペイントによるナチュラルなイメージが、穏やかな空間性を高めてくれます。

空と山並み、いつの時代も自然は心の安らぎをもたらす、デザインやアイデアの源泉でもあります。

スケッチブックに描いた絵柄をそのままペイントしたような楽しい壁面です。「自分空間」そのものといえます。

テキスタイルのような風合いを持たせたペイントです。好みのモチーフを自由な色彩とサイズでペイントし、小物をレイアウトすることで家具やファブリックと一体感ある空間を演出しています。

織物の様なオンブレを効かせたペイントと、ファブリックスとのゴージャスなコーディネートです。

 前回、今回と2回に渡ってご紹介した「塗装表現の可能性」を通じて、内装は既製の壁素材や天井材で仕上げるものという、現代の一般的な概念とは違った選択肢があることを知っていただけたのではないかと思います。デザインペイントに関心を持つことは、内装計画をより創造的でオリジナリティのある仕上がりに転換するきっかけとなるでしょう。

 シリーズ「塗装表現の可能性」は、次回「デコラティブペイント」で締めくくりとします。 日本ではあまり知られておらず、ビジネスとして体系化、確立化されていない分野ですが、そのパイオニアたちは確実に活動を広げています。その見事なテクニックをデザインペイントというジャンルで括ってご紹介します。

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