PXI[ピクシィ]会議

PXI MEETING

時代のニーズに応えるインテリアコーディネート

 「内装塗料」は今、国内のインテリアコーディネーターにどんな活用のされ方をしているのか。「第一線で活躍するインテリアコーディネーターと塗料メーカーはもっと互いに意見を交換すべき」と、当社専属インテリアアドバイザーである保田孝氏の発案で行われた座談会「PXI(ピクシィ)会議」。第1回はゲストとしてインテリアコーディネーターの前田博子さん、逸見敦子さん、門田玲子さんを招き、当社営業担当の大野翔太と一緒に、インテリアにおける内装塗料の可能性について意見を交わしていきます。

インテリアコーディネーターにもっと、塗料の“今”を。

大野この度はお集まり頂きありがとうございます。単刀直入に伺いますが、みなさんはインテリアコーディネートで“塗料”ってよく使われますか?

前田さん個人的には塗料ってすごく好きなんですけど、他の素材と比べて扱いが難しくなかなか頻繁に提案できないというのが本音です。特に大手ハウスメーカーの仕事になると、条件も色々決まっていますし・・・。


逸見さん私は、塗料は独特のアート感があるので、空間にアクセントが欲しいときによく提案しますね。

門田さん私も“ちょっとしたオシャレさ”を出すときに使うイメージです。が、正直施主様によっては先入観から施工時、施工後のニオイを心配される方もまだまだいて。

保田氏門田さんが仰るように、一般生活者は塗料に対して「ニオイが気になる」「施工が難しい」「メンテナンスが大変」などの先入観を持たれている方もまだまだ多いと感じますね。それを払拭できないのは、私はインテリアコーディネーター自身が塗料の知識を十分に持っていないからだと思います。

大野それは私たち塗料メーカーにも責任の一端があると感じます。こうして同じテーブルでインテリアコーディネーターの方々から直接意見を頂戴する機会がなく、十分に塗料と塗装空間の魅力を発信できていないと感じますから。

門田さん私も、改めて考えると大野さんのような営業担当の方と直接話をさせて頂くのは初めてかもしれません。

工業化優先の時代は終わった。

保田氏日本で内装塗料が住宅に浸透してこなかった理由はいくつかありますが、工期短縮のための現場工事の乾式化と工事品質の確保を優先した“工業化”の影響が大いにあると思います。でも、このあたりで暮らし優先の発想で塗料も見直される時期に来ているのではないかと感じるのですがいかがでしょう。

前田さんそれに、日本は欧米ほど部屋に塗料を使う文化が浸透していませんしね。海外ではDIY(Do It Yourself[自分で創ろう]の意)で壁を塗り替えるなんて当たり前の習慣なんですけど。

逸見さん私も塗料については改めて知識をつけねばと思っています。私達は常にお客様へ新しいインテリアを提案できないかと情報に敏感になっていますから、“塗料の今”について、是非知りたいと思っています。

門田さん確かに、私達の間でも「塗料を使うのは高級物件」という先入観があるかもしれません。前田さんの言う、生活者に生まれた新しい価値観というものも、じっくり知らねばいけないと思います。

保田氏「良いものを長く使う」という欧米型の志向も、かなり定着しつつあります。欧米では壁を彩ること、そして自分達で作り上げることを“楽しみ”と捉えています。言わばライフスタイルの中に生きるファッションの一環なのです。

逸見さんそうですね。DIYで少々刷毛(はけ)ムラが出てしまっても、“それもまたヨシ”という感覚が海外にはありますものね。

保田氏ビニールクロスが一般的な日本では「ムラも味がある」と考える人はまだ少数派です。「メンテナンス」は素人では難しいと考えている人が多いのが現状ですが、壁や空間を自分色につくるファンが増えてきているのは事実ですね。

最新の内装塗料の技術。

大野今のお話を聞いていますと、内装塗料がじわじわと浸透してくる時代になったのだなと改めて思います。色の鮮やかさのみ注目されていた時代から、長年の研究開発を経て、あらゆる角度から塗料を進化させてきました。皆さんがよく目にする自動車の塗料も進化しているように、内装塗料も進化しています。

門田さんそうですね。まずは私達が知ることだと思います。たとえば、関西ペイントさんが開発された『アレスシックイ』。以前にカタログを拝見しましたが、とても興味深い内容でした。

保田氏その製品の話は、今回ぜひ議題にしたかったんですよ。『アレスシックイ』の原料である漆喰は、西洋でも東洋でも昔から使われていた伝統素材であるからです。インテリア業界でも今、自然由来の成分を使った伝統素材はトレンドになっていますよね?

門田さんええ。いつからか人の心とカラダの健康に配慮したインテリアコーディネートを提案するようになってから、自然素材の活用は大きなテーマですね。

前田さんインテリアコーディネートって、一昔前は「空間をどう美しく装飾するか」を考える仕事と捉えられていたような気がします。でも今は違って、住み心地や健康、そして将来のことまで見据えた提案が不可欠です。

保田氏主成分が消石灰の漆喰は、調湿機能や防火性に優れた素材として城郭や民家、土蔵に使用されてきました。そうした機能をそのままに、関西ペイントでは研究開発を重ねて漆喰を塗料に進化させたと聞いています。

大野そうです。左官職人でしか塗れなかった漆喰を、現代の住宅に施工できるよう塗料にした画期的なものです。当社では漆喰は現代の住宅事情にマッチした多機能素材であることに着眼しました。例えば、消臭性にとても優れているという点がまず挙げられます。

門田さん確かに、私はアロマコーディネーターの仕事をさせて頂いていますが、室内の香りについて相談を受けることがしばしばあります。湿気やペットの問題から「生活臭が気になる」という方が多いですね。

大野さん他にも、ホルムアルデヒドと呼ばれる揮発性有機化合物(VOC)の吸着除去や鳥インフルエンザに代表されるウイルスも塗膜に吸着して無害化するという研究結果も出ています。

前田さん先人の知恵って、すごいですね。知らないうちに人のカラダに優しい素材を使っていたのですね。

インテリアコーディネートに必要な3つのテーマ。

保田氏現在のインテリアコーディネートは、美観の観点はもちろん「経済性」「安全性」「(住)環境性」という3つのテーマも併せた計画を求められています。『アレスシックイ』は、その3つの提案に大きく貢献できる素材だと私も思います。

門田さん内装塗料の作用という意味の「機能」とは少し視点が違いますが、「機能美」という言葉をよく耳にします。住空間にも機能美が備わっていないといけない時代です。さきほど日本人の価値観の話がでましたが、過度の装飾を好まずシンプルで機能的なデザインを求めるようになった今、日本人の価値観は少しずつ変化してきているようですね。

前田さんイギリスを中心に、ヨーロッパでは今若い人たちの間で“断捨離”が流行っているそうですね。日本でも今、ちょっとしたブームになりつつあります。要は「本当に必要な機能だけを求めて、シンプルに暮らしたい」という思いに、私達も応える提案を考えていくべきだと思うんです。

逸見さん「室内環境で今、本当に大切なことは何か」と考えたら、やはり安全性と環境性の時代ではないかと思います。

保田氏「そのためには必要なモノには相当の対価を支払う」という風潮も見られるようになりました。「人の健康と安全」「住み心地の快適さ」をテーマにした提案は、一般生活者にとって価値の高いものだと感じます。

大野同感です。塗料メーカーである当社でも、“時代に合った製品”の開発が徐々に実りはじめています。少し大それてはいますが、これから分かりやすく塗料の特徴を発信していくことで、日本の住環境を少しずつ良い方向に変えていきたいと思っています。

門田さん今回の企画で、以前よりも塗料のこと、そして塗料メーカーさんの考えていることが少し理解できたと思います。それに、日本人の感覚が少しずつ変わりつつあることを再認識できたことも。

前田さんそうですね、メーカーさんとこうして膝をつき合わせてお話をする機会、なかなかありませんもの。

逸見さんゲストとしてオファーを受けたときは、何を話せば良いか少し心配だったのですが。反対に色々と学びがあり、とても良い時間を過ごせました。

保田氏みなさんにとっても有意義な会議にできたようですね。良かった。大野さん、第2回もぜひ、やって頂けませんか?

大野ぜひやりましょう!

MEMBER PROFILE
前田博子ルキアプロジェクト株式会社代表取締役
ルキアプロジェクト株式会社代表取締役、神戸女学院大学音楽学部卒業後、声楽の勉強に渡仏。留学中にパリで室内装飾の世界に触れ、興味を深める。帰国後、インテリアコーディネートの基礎を学んだ後、大手ハウジングメーカーのインテリアコーディネーターとして数百棟を手掛ける。平成20年同社設立。インテリア空間設計、インテリア商品の企画、開発、販売などの事業を展開。常に第一線で活躍中。
逸見敦子VERSION(バージョン)代表
武蔵野美術短期大学商業デザイン学科卒業後、株式会社伊勢丹、大日本印刷株式会社CDC事業部嘱託、インテリアコーディネーターの基礎を積み1983年同社を設立。「住まいのリフォームコンクール(公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催、国土交通省後援)2009年優秀賞、「INAXデザインコンテスト」奨励賞、「三井ホーム リモデリング フォーラム」優秀賞、他受賞多数。「暮らしを楽しく」をコンセプトにワンデイレッスン教室も主催している。
門田玲子株式会社ルミナリー代表取締役
カラーコーディネーター、インテリアコーディネーター、アロマコーディネーターなど、多彩な顔を持ち、その知識をもとに、さまざまな角度からより良い住環境やパーソナルコーディネートを提案。創造社デザイン専門学校 色彩 非常勤講師、ヴェールルージュ美容専門学校 アロマテラピー 非常勤講師や、企業セミナーなどの講師も多数務める。
保田 孝アイ・プランニング代表
アイ・プランニング代表(関西ペイント販売専属インテリアアドバイザー)33年間の住宅メーカーのデザイン部門を経て、アイ・プランニングを設立。以後、ゼネコン、家具メーカーのインテリアビジネスのシステム構築やインテリアデザインスクール、企業講師を務める。幅広い知識と豊富なキャリアに加え、常に国内外のインテリア事情のトレンドを把握してお客様へ幸福度の高い生活空間を提案している。
大野翔太関西ペイント販売株式会社
2007年、関西ペイント入社。2010年より関西ペイント販売(株)大阪販売部に在籍。現在、関西エリアの建築塗料の営業担当。在職年数は短いが、新たな視点でそれぞれの現場に合った「最適な提案」に努めている。趣味は、食べ歩きとサイクリング。週末は、知人と共にツーリングを楽しむ。

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